住宅ローン選びの最大の悩み——「変動金利と固定金利、どっちが得?」。
2026年4月時点の最新金利は、変動0.728%・フラット35の2.414%(長期国債2.409%ベース)。その差は1.686%ポイント。35年の長期にわたる住宅ローンで、この差は一体どれほどの金額になるのでしょうか。
結論から言います。2026年時点での純粋な損得勘定では変動金利が圧倒的に有利です。しかし「耐えられるリスク許容度」によって選ぶべき金利タイプは変わります。この記事では実データでシミュレーション比較し、判断基準を明確にします。
2026年4月時点の実金利データ
日本銀行の時系列統計データと財務省の国債金利情報から取得した最新値:
| 金利タイプ | 2026年4月 | 参照金利 |
|---|---|---|
| 変動金利(店頭優遇後) | 0.728% | 日銀短期政策金利連動 |
| フラット35(21〜35年) | 2.414% | 10年国債利回り2.409% |
| 10年固定特約 | 1.95〜2.15% | 金融機関によって異なる |
日銀政策金利は2024年のマイナス金利解除後、0.25%を経て0.5%に段階的に引き上げられた経緯があり、今後さらに上昇する可能性が市場で議論されています。
シミュレーション: 35年3,500万円で比較
30代で首都圏マンションを購入する典型的なケースで比較します。
ケース設定
- 借入金額: 3,500万円
- 返済期間: 35年
- 元利均等返済
- ボーナス返済なし
パターンA: 変動0.728%で借りた場合
月々返済: 95,163円
総返済額: 39,968,460円
総利息: 4,968,460円
パターンB: フラット35 2.414%で借りた場合
月々返済: 124,283円
総返済額: 52,198,860円
総利息: 17,198,860円
差額
- 月々返済の差: 29,120円/月
- 総支払額の差: 12,230,400円(1,223万円!)
35年間で1,200万円超の差——これが現在の金利差の衝撃的な事実です。年収500〜800万円の世帯にとって、1,200万円は人生設計を変えるレベルの金額です。
しかし、金利上昇リスクを忘れてはいけない
変動金利の最大のリスクは、日銀の金融政策変更で月々返済額が増えること。過去40年の変動金利推移を見ると:
- 1990年頃: 8.5%
- 2000年頃: 2.5%
- 2010年頃: 2.475%(店頭)/ 0.975%(優遇)
- 2025年頃: 2.475%(店頭)/ 0.728%(優遇)
2026年現在が歴史的低水準であることは間違いありません。
変動金利が上昇した場合のシミュレーション
借入3,500万円で金利が段階的に上昇した場合:
| 金利 | 月々返済 | 当初(0.728%)との差 |
|---|---|---|
| 0.728% | 95,163円 | — |
| 1.5% | 107,124円 | +11,961円/月 |
| 2.0% | 115,919円 | +20,756円/月 |
| 2.5% | 125,200円 | +30,037円/月 |
| 3.0% | 134,958円 | +39,795円/月 |
金利3.0%になれば月々4万円の追加支払い。これが続くと35年で1,670万円の支払い増です。つまり、変動金利の「安さ」は金利固定された時点で消えるリスクがあります。
変動金利が抱える「125%ルール」の罠
変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」という保護機能があります。
- 5年ルール: 金利が上昇しても、月々返済額は5年間変わらない
- 125%ルール: 5年後の再計算時、新しい返済額は前の返済額の125%まで
一見「守られている」ように見えますが、実は返済総額は減らないという重大な罠があります:
- 金利上昇分は「未払い利息」として繰り延べ
- 繰り延べられた利息は最終返済時に一括精算
- 最悪のケース、残高が借入額を上回る事態も
教訓: 「5年ルールがあるから安心」は誤解。金利上昇した瞬間から利息負担が確実に増えている。
変動金利を選ぶべき人・固定を選ぶべき人
🟢 変動金利が向いている人
- 金利+2%(=月々+2万円)を5年耐えられる資金余力がある
- 年収が年2〜3%ペースで上昇見込み
- 頭金が物件価格の20%以上ある(借入額が抑えられる)
- 20年以内に完済する予定(金利上昇リスク露出期間短い)
- 資産運用で住宅ローン金利以上の利回りを確保できる
🔴 固定金利(フラット35)が向いている人
- 月々返済額が変わらない安心を最重要視する
- 教育費・老後費など将来の支出が固定的
- 頭金がほぼなく、借入額が年収の6倍以上
- 自営業・フリーランスで収入が不安定
- 35年の長期返済予定
「ミックスローン」という選択肢も
近年広がっている選択肢が「変動+固定」のミックス。例えば:
- 借入3,500万円のうち2,000万円を変動(金利0.728%)
- 残り1,500万円を固定(金利2.414%)
この場合: - 月々返済: 約108,000円 - 全額変動との差: +13,000円/月 - 全額固定との差: -16,000円/月
リスクとリターンの中間を取れる現実的な選択肢です。ただし、2つのローンを管理する手間と繰上返済時の複雑さがあります。
2026年の結論: 現実的な判断基準
ここまで見てきた事実を整理すると、2026年の意思決定軸はこうなります。
判定チャート
Q1: あなたは借入額の20%以上を頭金として出せるか?
→ YES: Q2へ NO: 固定推奨
Q2: 金利が+2%になり月々+2万円になっても、5年間耐えられる家計余裕があるか?
→ YES: Q3へ NO: 固定推奨
Q3: 返済期間は20年以下か?(繰上返済予定含む)
→ YES: 変動推奨 NO: Q4へ
Q4: 共働きで世帯年収900万円以上か?
→ YES: 変動推奨 NO: ミックス推奨
多くの30〜40代の住宅購入者にとって、現実的な答えは:
- 頭金が薄く、返済期間が長い → 固定(フラット35)
- 頭金厚く、余裕資金あり → 変動
- 中間 → ミックス
金利だけで決めるのは危険
最後に、金利の損得以外に判断軸が3つあります:
- 団体信用生命保険の内容(がん保障・11疾病保障など金融機関で異なる)
- 繰上返済手数料(無料か有料か、回数制限あるか)
- 借り換えのしやすさ(フラット35は借り換え時の手続きがやや煩雑)
これらを総合して、「金利0.1%差より、団信充実・手数料無料の方が得」というケースも珍しくありません。
自分の条件で月々返済を正確に計算したい方へ
チェリ街の住宅ローン計算機では、借入金額・期間・金利を入れると月々返済額・総利息・金利上昇シナリオを瞬時に表示します。さらに「買う / 待つ / 再検討」の判定も付いてくるので、購入タイミングも含めて検討できます。
業者アフィリエイトに頼らない中立設計。気になる方は住宅ローン計算機をお試しください。
まとめ
- 2026年4月現在、変動0.728% vs 固定2.414% で1,200万円以上の差
- ただし金利上昇リスクは現実的(日銀政策次第で+2〜3%もあり得る)
- 変動向き: 頭金厚く・余裕資金あり・短期返済予定の方
- 固定向き: 頭金薄く・長期返済・収入安定重視の方
- ミックスローンも有力な選択肢
- 金利だけでなく団信・手数料・借り換え条件も総合評価
「どっちが得か」ではなく、「どっちが自分に合うか」——この視点で選べば、35年後に後悔しない住宅ローンを組めます。
更新履歴
- 2026-04-22: 出典リンク明示、編集方針リンク追加、構造化データ強化
- 2026-04-20: 初版公開